累計3億円を得ている栗原久美子です。

第1章:説明を聞き終えた人が、最初に言う一言
いいですね、面白そうですね、と言ったすぐあとに、でも私、たぶん向いてないと思います、と続く。ご相談を受けていて、この流れが本当に多いです。
理由を聞くと、たいてい似ています。人と話すのが苦手だから。英語は学生時代からずっと駄目だったから。細かい作業が続かない性格だから。どれも本人の中では、もう決まった事実として扱われています。
不思議なのは、その方がまだ一度も手を動かしていないことです。向いていないという判断だけが先にあって、判断のもとになる経験がない。私も昔は同じことを言っていました。あの一言で入り口の手前から引き返してしまう方の多さを思うと、もったいなくてなりません。
第2章:向いてないと言うとき、思い出しているのは昔のこと
自分は向いていない、と感じるとき、頭の中で何が起きているのか。しばらく観察していて、分かってきました。
新しい話を聞くと、人は自分の記憶の中から似た場面を探してきます。英語と聞けば、当てられて答えられなかった教室の空気が出てくる。人とのやり取りと聞けば、電話に出るのが怖かった頃の職場が出てくる。
つまり、判断しているのはこれからの仕事についてではなく、昔の自分の記憶についてです。テストで点が取れなかったことと、海外のお客さまに商品の説明を書けるかどうかは、本当は別の話なのに、同じ引き出しに入ってしまっている。
しかも、記憶は都合よく残ります。うまくいかなかった場面は鮮明で、なんとかなった場面はほとんど残っていません。思い出せる材料だけで採点すれば、自分はいつも低い点になります。向いていないと感じるのは性格ではなく、材料の偏りのほうだと思っています。
第3章:ひとかたまりで向き不向きは決められない
もう一つ気づいたのは、仕事をひとかたまりで見ているあいだは、向き不向きの答えが出ないということです。
私のやっている海外向けの販売も、外から見れば一つの仕事ですが、中身はばらばらの作業の集まりです。何を売るか探す時間、写真を撮る時間、説明を書く時間、質問に返事をする時間、荷物を包む時間。それぞれ使う力がまるで違います。
実際にやってみると、好き嫌いがはっきり分かれます。人と話すのは苦手でも、文章で説明するのは落ち着いてできる方がいます。写真は面倒でも、包む作業はいくらでもやっていられる方もいます。
そうやって中を開けてみて初めて、自分がどこに向いているかが見えてきます。全部が得意な人には会ったことがありません。皆さん、得意な工程で稼いで、苦手な工程は形を決めて短く済ませているだけです。
始める前に分からないのは当たり前です。開けていない箱の中身は、誰にも見えません。
第4章:判断を先に延ばすために、決めていること
とはいえ、やってみようと思っても、途中で何度も向いていない気持ちが顔を出します。私はそのたびに考え込まないよう、あらかじめ決めごとを置いています。
まず、向き不向きを判断してよい日を先に決めます。三か月後の同じ日まで、この話は考えない、と決めてしまう。それまでに出てくる向いていない気分は、判断ではなく、ただの疲れとして扱います。期限を置くだけで、毎日の揺れに付き合わなくて済みます。
次に、嫌だと感じた場面を、その日のうちに一行だけ書き残します。写真を撮るのが億劫だった、英語の文面を考えるのに時間がかかった、というくらいで十分です。三か月分たまると、自分が嫌なのは仕事そのものではなく、特定の工程だとはっきり分かります。全部が嫌だった、という人はまずいません。
それから、苦手だと分かった工程は、うまくなろうとしません。同じ手順で毎回済ませる、道具に任せる、時間を決めて切り上げる。得意にする必要はなくて、負担を軽くできれば十分です。
最後に、向いていないと口に出す前に、疲れているのか、何度やっても嫌なのかを分けます。一日休んで気持ちが戻るなら疲れです。三か月たっても同じ工程で手が止まるなら、そこはやり方を変える合図。この二つは似ていますが、扱いはまるで違います。
第5章:向いていないと言っていた人ほど、遠くまで行く
続けている方を見ていて、いちばん意外だったのはここです。最初に向いていないと言っていた方が、あとになって残っていることが多い。
人前で話すのが苦手だという方は、そのぶん文章を丁寧に書きます。海外のお客さまとのやり取りは、ほとんどが文章です。苦手だと思っていたことが、そもそも必要とされていなかった場面もよくあります。
心配性の方は、荷物の包み方や発送の連絡が細やかで、評価が積み上がっていきます。器用な方が飽きて手放したあとも、静かに続けている。決め手になっていたのは性格の種類ではなく、自分に合う形を見つけたかどうかでした。
第6章:この仕事で、いちばん誤解されている向き不向き
海外向けの販売は、始める前の思い込みと、実際の中身がとくに離れている仕事だと感じています。
英語が話せないから無理だ、とよく言われます。ところが、やり取りの大半は短い文章です。商品の説明と、届きましたか、ありがとうございます、というくらいができれば成り立ちます。翻訳も、調べものも、画像の用意も、今はGeminiのような無料の道具で足りますから、語学が整うのを待つ理由はもうありません。
人と話すのが苦手だから、というのも同じです。必要なのは話す力よりも、聞かれたことにきちんと答える力のほうでした。時差があるので、すぐに返事をしなくてもいい場面がほとんどです。
ただ、道具が揃っても、それだけで売れるようにはなりません。何を選び、いくらで出し、どう伝えるか。ここは性格とは関係のない部分で、先に結果を出した人から教わったほうが、迷う時間がずいぶん短くなります。向いていないと感じていたことの多くは、知らなかっただけだったと、あとから分かります。
第7章:今日は、判断を一回だけ保留してみる
今日お願いしたいのは、行動よりも先に、判断をやめてみることです。
気になっていることについて、自分は向いているのか向いていないのか。その答えを出すのを、今日はやめてみてください。代わりに、いちばん小さい形で一つだけ触れてみる。判断の材料が一つ増えます。
向き不向きは、生まれたときから決まっているものではなく、やってみた回数の分だけ見えてくるものです。まだ一度も試していないのなら、あなたはまだ、向いていないという結論を出す資格を持っていません。それは悪い知らせではなく、可能性がまだ全部残っているという意味です。
海外向けの販売や、英語を使った副収入の始め方については、メルマガでもう少し詳しくお話ししています。自分に合うかどうかを確かめてみたい方は、よかったら覗いてみてください。
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<<<今日の一言英語>>>
I won’t know until I try it.
(アイ ウォント ノウ アンティル アイ トライ イット)
意味:やってみるまでは分かりません。
使用例:やる前から向いていないと決めそうになったときに、
「I won’t know until I try it.
(やってみるまでは分かりません)」
と伝えると、決めつけずに確かめる姿勢が伝わります。
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