累計3億円を得ている栗原久美子です。

第1章:もっと早く増える方法があるのでは、と探していた頃
働いて得たお金が、口座に少しずつ貯まっていく。それはうれしいことなのに、ある時期の私は、その速度がどうにも遅く感じられて仕方がありませんでした。
もっと早く増える方法があるのではないか。自分が寝ているあいだにも動いてくれるものがあるのではないか。そういう気持ちで、夜にスマートフォンで数字を眺めていた時期があります。
もしあなたが今、似たようなことを考えているとしても、それは欲張りだからではないと思います。目の前の仕事が地味に見える日は誰にでもあって、その日にたまたま「増える話」が目に入ると、心が引っ張られてしまう。それだけのことです。
第2章:20万円が、目の前で消えました
私が手を出したのは、トルコリラのFXでした。良さそうな話を聞いて、金額を決めて、口座に入れて、あとは画面を見ているだけ。最初のうちは、少し増えたり少し減ったりする数字を、他人事のように眺めていました。
けれど、ある時から数字の動き方が変わりました。じっと見ているあいだに、赤い方向へどんどん進んでいく。何かを操作する余裕もなく、頭の中では「戻るはず、戻るはず」とだけ繰り返していました。
戻りませんでした。20万円が、一瞬で溶けました。
不思議なもので、その瞬間はあまり悲しくなかったのを覚えています。悲しさが来たのは少し経ってからで、20万円を稼ぐために自分が普段どれだけ動いているかを思い出した時でした。梱包して、発送して、問い合わせに返事をして、その積み重ねで得ていた金額が、何もしていない時間のあいだに消えた。その落差だけが、しばらく胸に残りました。
第3章:私は、あのお金について何も分かっていなかった
しばらくしてから気づいたのは、負けたことよりも、自分が何ひとつ分かっていなかったという事実のほうでした。
なぜその通貨だったのか。何が起きたら上がって、何が起きたら下がるのか。説明できることが、私には一つもなかったのです。分からないものにお金を置いて、上がってくれるのを待っていただけでした。
それ以来、私は投機はやらないと決めました。良い悪いの話ではありません。ちゃんと学んで、納得して続けている方がいることも知っています。ただ私は、自分で結果を動かせないものの前に座っていると、判断ができなくなる。それが分かったので、自分には向いていないほうを手放しました。
決めてしまうと、迷う時間そのものがなくなります。これが思っていた以上に大きな変化でした。
第4章:それ以来、金額に線を引くようにしました
やめると決めた代わりに、自分の中に一本だけ線を引きました。
仕入れの場面で、買うかどうか心が揺れたとします。私は、揺れたら買うことにしています。迷っている時点で、その商品には何かしら引っかかるものがあるからです。実際に手元に来て、写真を撮って、売れるかどうかを見てみないと、その引っかかりの正体は分かりません。
ただし、そこには金額の上限をつけました。揺れた気持ちのまま買うのは、1万円まで。それを超える金額のものは、迷っている状態では手を出しません。
この線があるだけで、判断が驚くほど速くなりました。1万円以下なら、考え込まずに動く。超えるなら、迷いが消えるまで調べるか、見送る。二択にしてしまえば、店の前で三十分立ち尽くすようなことがなくなります。
そして何より、この線の内側で失う可能性のある金額は、自分の働きで取り返せる範囲に収まっています。20万円との一番の違いはそこです。あの時の私は、自分の手の届かない場所にお金を置いていました。
第5章:夜に画面を見なくなって、朝が変わりました
投機をやめてから、夜に数字を眺める時間がまるごとなくなりました。
その時間で何をするようになったかというと、商品の写真を撮り直したり、海外のお客さまへの返信を書いたりです。地味ですが、こちらは動かした分だけ結果が返ってきます。翌朝、注文が入っていることもあります。同じ「増える」でも、心の落ち着きがまるで違いました。
減らさないというのは、守りに入ることではないと今は思っています。自分が扱えるものだけを手元に残す。それだけで、使える時間と気力が増えます。
第6章:自分の手で動かせるお金のほうが、私には合っていた
私が海外向けの販売を長く続けてきたのは、そこが自分の手で動かせる場所だったからです。
売る物を選ぶのも、値段をつけるのも、お客さまに何と伝えるのも全部自分で決められる。うまくいかなければ、写真を替える、説明を書き直す、出す物を変える。打つ手が必ず残っています。値動きを見つめて待つしかなかったあの時間と比べると、正反対でした。
しかも売り先が海外になると、同じ商品でも日本国内とは違う値段がつくことがあります。英語は、そのために必要な道具でした。流暢に話す必要はなくて、商品の説明と短いやり取りができれば足ります。今は翻訳も文章の手直しもGeminiのような無料の道具で間に合いますから、以前より始めやすくなっています。
ただ、道具が揃うことと、稼げるようになることは別です。何を仕入れて、いくらで出して、どこで線を引くか。その判断だけは自分で持つ必要があって、私はそこを、失敗しながら覚えてきました。
第7章:今日、自分の線を一本だけ決めてみる
もし今、増える方法を探して夜に画面を見ている日があるなら、一つだけ決めてみてください。
自分は、いくらまでなら迷ったまま動いていいのか。そして、どこから先は動かないのか。金額はいくらでも構いません。1万円でも、3千円でもいいのです。その線があるだけで、判断に使っていた時間と気力が、そのまま自分の仕事に戻ってきます。
私は20万円を払って、その線を引くことを覚えました。同じ授業料を払う必要はないと思っています。
自分の手で動かせる収入をどう作るか、英語を使った海外向けの販売の始め方については、メルマガでもう少し具体的にお話ししています。よかったら覗いてみてください。
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<<<今日の一言英語>>>
I’ll pass on this one.
(アイル パス オン ディス ワン)
意味:今回は見送ります。
使用例:条件が合わない仕入れや取引を断る場面で、
「I’ll pass on this one.
(今回は見送ります)」
と伝えると、角を立てずに断ることができます。
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