累計3億円を得ている栗原久美子です。

第1章:出品ボタンの前で、画面の英語に手が止まる
写真も撮った、送る箱も用意した。あとは出品するだけ、というところまで来て、画面を開いた瞬間に手が止まる。入力欄の名前がすべて英語で並んでいて、どこに何を入れればいいのか見当がつかない。Auction、Buy It Now、Best Offer、Reserve Price。ひとつずつは見たことのある単語なのに、並んだとたんに読めなくなります。
そのまま画面を閉じて、その日はもうやめてしまう。海外向けの販売でいちばん多い離脱は、実は商品でも配送でもなく、この最初の画面です。英語力が足りないからではありません。学校で習った意味と、売り買いの場で使われる意味が少しずれているだけです。
第2章:翻訳にかけると、かえって分からなくなる
翻訳機能でそのまま日本語にしてみると、混乱が深まります。Reserve Priceは「予約価格」と出てきて、何を予約するのだろうと首をかしげることになります。Best Offerは「最高のオファー」。いちばん高い値段のことかと思ってしまいます。Watchersに至っては「観察者」。誰が誰を見ているのか、想像もつきません。
意味を取り違えたまま設定を進めると、あとで実害が出ます。開始価格のつもりで入れた1ドルが即決価格の欄に入っていて、翌朝1ドルで売れている。値下げ交渉は受けないつもりだったのに、交渉の通知が毎日届く。商品を選ぶことより、単語の取り違えで気力を削られてしまいます。
第3章:全部覚えなくていい、最初は15語で足りる
出てくる英語を数え上げればきりがありませんが、つまずく場所はいつも同じです。誰が誰に売るのか、どんな売り方をするのか、いくらで出すのか。この三つに関わる言葉だけ先に押さえておけば、最初の出品はひととおり進みます。数にして15語ほどです。
まず自分と相手の呼び名から。出品する側がSeller、買う側がBuyerで、この二つはあらゆる画面と通知に出てきます。そして出品したページの一つひとつがListingと呼ばれます。「あなたのListingについて質問があります」という連絡が来たら、商品ページのことだと分かれば十分です。
売り方は大きく二通りあります。ひとつがAuctionで、決められた期間のあいだ買い手が値段を競り上げていく形。買い手が値段を入れる行為がBidです。もうひとつがBuy It Nowで、こちらが決めた値段でそのまま買ってもらう形になります。日本でいう即決価格に近い感覚です。慣れないうちはBuy It Nowだけで出しても、まったく問題ありません。
第4章:値段と交渉のまわりに、つまずきが集まっている
ここからが本題です。Auctionで出すときの出発点がStarting Priceで、競りが始まる最初の値段を指します。安く始めるほど人は集まりますが、そのまま安値で終わる怖さもある。その保険がReserve Priceで、この金額に届かなければ売らずに済むという下限の設定です。予約とは何の関係もありません。
Buy It Nowで出すときに一緒に見ておきたいのがBest Offerです。これは「値下げのご相談を受け付けます」という札を出しておく設定で、買い手から希望額が届くようになります。その希望額そのものがOfferで、高すぎる、安すぎると感じたときにこちらから出し直す金額がCounterofferです。断るか、受けるか、中間を出すか。この三択があると知っているだけで、交渉の通知が怖くなくなります。
商品の状態を選ぶ欄がConditionで、NewとUsedのどちらかを選びます。日本の中古品は状態が良いと海外で評価されやすいので、ここは正直に選んでおくほうが後々ずっと楽です。出す場所を選ぶ欄がCategory、いくつ出すかを入れる欄がQuantityになります。
出品したあと、ページに数字が増えていくのがWatchersです。まだ買ってはいないけれど気になって印をつけている人の数で、ここが動いていれば商品選びは間違っていないという合図になります。そして売れたときに差し引かれるのがFeeで、売上に対してかかる手数料です。値段を決めるときに、この分を先に頭に入れておく。ここを忘れると、売れたのに手元にほとんど残らない、ということが起きます。
第5章:単語が分かると、出品は数分で終わる
言葉の意味が分かってしまえば、出品の画面はただの入力フォームです。最初は一件に一時間かかっていたものが、慣れると数分で終わります。
もっと大きな変化は、他の人の売り方が読めるようになることです。同じ商品を扱っている人がなぜAuctionではなくBuy It Nowを選んでいるのか、なぜBest Offerを開けているのか。画面の英語が読めると、その意図まで見えてきます。真似できる相手が一気に増えるので、値付けの勘が育つのも早くなります。
第6章:訳せることと、決められることは別
英語そのものは、もう大きな壁ではありません。長い問い合わせが届いても、Geminiのような無料の道具に貼りつければ意味は取れますし、返信の下書きも作ってもらえます。読めない単語のために出品をあきらめる時代ではなくなりました。
ただ、道具が出してくれるのは訳と文章までです。Reserve Priceをいくらに置くか、値下げの相談にどこまで応じるか、手数料を引いてもなお残る値段はいくらか。この判断は翻訳の外側にあります。だからこそ、便利な道具がそろった今でも、実際に海外のお客さまとやり取りしてきた人から学ぶ価値は減っていません。むしろ、覚える手間が減った分だけ、判断の差がそのまま結果の差になります。
第7章:今日は出品しなくていい、単語を眺めるだけで
もし出品画面で止まったままの商品があるなら、今日は売ろうとしなくて構いません。画面を開いて、出てくる英語をそのままメモに書き写してみてください。今日の15語のうち、いくつが自分の画面に並んでいるかを確かめるだけで、次に開いたときの気持ちがまるで変わります。
分からないから怖いのであって、名前が分かってしまえば、ただの入力欄です。最初の一件さえ出してしまえば、二件目からは十分もかかりません。
英語を使った海外向けの販売の始め方や、値付けと交渉の考え方は、メルマガでもう少し具体的にお話ししています。よかったら覗いてみてください。
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<<<今日の一言英語>>>
Feel free to make an offer.
(フィール フリー トゥ メイク アン オファー)
意味:お気軽に希望の金額をお知らせください。
使用例:値下げの相談を受け付けている商品で、
「Feel free to make an offer.
(お気軽に希望の金額をお知らせください)」
と伝えると、声をかけやすい売り手だという印象が残ります。
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